氏子総代は地域の町内会を支え母体に有志が集まり、神社の神事、例祭をご熱心にお世話いただいております。久保八幡神社の多様な行事のみならず、尾道の三大夏祭りの祇園祭のお世話も積極的にご参加いただき、お支えいただいております。
しかしながら当地域の人口減少は激しく、昔ながらの住宅密集地であったことが逆作用となり、若い人から車では不便な場所と捉えられ、高齢化率の極めて高い、空き家の多い地域と変容しております。それにともないお世話をいただく総代の方々の中心は70代後半の高齢者となっており、将来的な課題となっています。ただ、空き家の活用は全国的な行政課題として様々な方策が始動しており、当地域でも昔の趣を残す優良な空き家を改修し、若い世代が憧れる新しいスタイルの住居や宿泊、喫茶店などに改修する動きも出ており、将来的な地域の再変容による活性化期待も高まっております。
また、神事の巫女さんは、近年、尾道東高の生徒さんが担ってくれております。
◇火焚き神事・とんど
吉和八幡神社様との共催で、開催場所を交互に実施。近年、復活した神事で久保八幡神社では奇数年の1月に行っております。願いの書かれたお札を火の霊力で天に届ける神事です。
また、恒例のとんども1月に開催、ご利用いただいたお札などを燃やして、ご加護に感謝しております。
◇秋祭り(陣幕久五郎奉納わんぱく相撲大会
境内に仮設舞台を設営して、夕方からカラオケ大会も行います。年によっては神楽もお招きし、奉納いただいております。また、お昼は陣幕久五郎奉納わんぱく相撲大会を開催、市内の小学校からちびっこ力士を集め、本格的な土俵をつくって元気に競ってもらっております
陣幕久五郎はご承知の通り生涯待ったなしで知られ、大相撲に上がる前に尾道で修業した江戸後期の名横綱です。当社境内に手形の祈念碑があるほか、相撲とのゆかりを示す軍配灯籠、陣幕と奥様が熱心に信心した二の丸稲荷神社もございます。
◇夏越し払い(茅の輪)
境内に茅の輪を設置して、左回り、右回りなど茅の輪くぐりの文化を子ども連れの親子にも伝えています。
◇大祓(年越し・元旦際)
大晦日の夜に1年の無事に感謝する年越しの神事を行い、三が日は火を焚き、巫女さんを迎え、甘酒のふるまいなどで新年の参拝者をお迎えしています。
◇しめ縄づくり
11月にわらを市内の生産者から受け取ります。参集殿にブルーシートを敷き、山積みにされ、お世話をする方々が毎日のように袴取りという地道な作業を続けます。1本、1本、根元の固い部分を剥ぎ取る作業です。それが終わると、3本をよりながら縄にする作業に移り、下準備を完了させます。小さなしめ縄は参集殿で完成させ、本殿などに飾る大きなしめ縄は境内に杭を打ち、大勢が左右に分かれて、3本の縄を1つのしめ縄に編み上げる作業を行います。ハサミで飛び出たわらを摘んで仕上げ、完成させます。完成後は神木のクスノキや八坂神社も含めてしめ縄の付け換え作業を行います。
しめ縄づくりは大変な作業ですが、氏子総代の方々が伝統的な作製技術の継承もしながら実施し、毎年、お手製の新しいしめ縄で気持ちよくお参りいただけるよう、年越しの大祓、元日祭に備えています。
◇しめ縄飾ワークショップ
しめ縄づくりの取り付け作業あたりで、子ども達を招いたワークショップ「しめ縄飾をつくろう!」を参集殿で行っています。久保小学校の児童さんや近所の園児たちがにぎやかに参加してくれています。縄をつくる伝統文化の学びと自由な発想で飾り付ける体験です。参加した子どもたちはいつもと一味違うお正月を過ごしてくれていると思います。
◇祇園祭(三体廻し)
尾道の三大夏祭りで、八坂神社の祭礼です。前述の通り、八坂神社は当社のすぐ南にあり、当社と向き合う位置関係で鎮座しています。祇園祭のクライマックスとなっている三体廻しは2024年春に尾道市無形民族文化財に認定され、6月には盛大に開催されました。その3体の神輿の担ぎ手約150人の参集場所は当社参集殿で、ここで着替え、打ち上げを行っています。