祇園祭(三体廻し)との縁

尾道の夏の三大祭りとされている祇園祭は、当社のすぐ南に、当社と向き合う方角で位置する八坂神社(明神さんこと厳島神社の境内に鎮座)の祭礼でございます。
しかしながらその昔から宮司と総代は久保八幡神社の宮司、総代が代々兼務しています。兼務は東高山手の山王さんとして親しまれる山脇神社もそうですが、氏神様の見守る氏子区域内にある神職不在の小宮を、氏神社の宮司さんが兼務される例は一般的に見る光景です。
ただ、八坂神社については、神職不在の小宮というだけではないものがそこにあるようで、江戸時代の尾道町内を描いた絵図の中で、明神さん(厳島大明神と記載)の境内位置に「八幡御旅所」とあり、厳島神社境内が八幡さんの御旅所、即ち八幡さんの神輿が安置される場所として定められているのです。その由縁について伝わり聞くものはありませんが、南北で向き合うような配置も含め、両者の交わり、神縁が秘められているのかもしれません。
因みに、三体廻しは2024年春に尾道市無形民俗文化財の指定を受け、2024年6月30日は指定後初の三体廻しとして盛大に実施されました。

三体廻し(2024年春尾道市無形民俗文化財指定、祇園祭=尾道三大夏祭り)
祇園祭の八坂神社(亀山八幡宮と同じ宮司・役員)